【7月25日 AFP】米民主党全国委員会のデビー・ワッサーマン・シュルツ(Debbie Wasserman Schultz)委員長が24日、辞任する意向を表明した。党指導部の電子メールが流出し、候補指名争いでヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官と競い合っていたバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員の選挙活動を妨害しようとしていた疑惑が浮上していた。

 翌日に開幕する党大会では、クリントン氏が大統領候補に正式に指名される。ワッサーマン・シュルツ氏は大会閉幕時に辞任すると声明で明らかにした。

 流出した大量のメールには、サンダース氏の活動を妨害しようとする動きを示唆するものが、少なくとも2件含まれていた。保守的な州でサンダース氏が無神論者であることを印象づけることなどを狙っていた。

 サンダース氏はワッサーマン・シュルツ委員長の辞任を繰り返し要求していた。委員長にはかねて批判が集中しており、メールの流出を受けて公平性を疑問視する声が高まった。

 委員長の辞任は、メール流出問題にけじめをつけ、大統領選の本選に向けて党内の結束を図る狙いがある。

 クリントン氏は声明を出し、ワッサーマン・シュルツ委員長に謝意を示すとともに、友人である委員長は「今後もフロリダやその他の重要な州を含め、全米の選挙運動で引き続き役割を果たしていく」とした。

 一方、共和党指名候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は即座に追い打ちをかけ、「デビー・ワッサーマン・シュルツは過大評価されていると私は言い続けてきた。民主党の大会はひどいことになる」とツイッター(Twitter)に投稿した。(c)AFP