【7月22日 AFP】米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は22日、ロシア軍機が先月、シリアにある米軍と英軍の精鋭部隊が使用する基地と、米中央情報局(CIA)の関連施設を爆撃したと伝えた。

 WSJが米当局高官の話として伝えたところによると、これまで報じられていなかった6月16日と7月12日の空爆は、ロシアが米国に対しシリア領空内でより緊密に協力するよう圧力をかけるために実施したものだったという。

 20人規模の英軍特殊部隊は6月16日の爆撃の前日、ヨルダンとの国境沿いのアトタンフ(At-Tanf)から約16キロにあるこの駐屯地を退去していた。米当局高官と反体制派勢力の司令官らによると、爆撃にはクラスター爆弾が使用された。米国がロシアからの圧力を拒否した結果、同じ基地に2回目の空爆が行われたという。

 またその約3週間後の7月12日、ロシア軍機は、アトタンフの西約80キロにある、CIAが支援する戦闘員らの家族が利用する反体制派の拠点を爆撃した。

 米軍や情報機関の高官らによると、一連の攻撃により米国防総省とCIA内ではロシアとの協力に反対する声が強まった。だが軍事的緊張のさらなる高まりを避けたい米ホワイトハウス(White House)と米国務省が妥協を求めたという。(c)AFP