【5月21日 AFP】ロシアは20日、シリアで別途空爆を行っている米国に対し、次週からの合同作戦を提案したが、米国防総省は即座にこれを拒否した。

 ロシアのセルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相はテレビ中継された談話で「国際シリア支援グループ(International Syria Support Group)を率いる立場として、われわれは米国に対し、5月25日をもってロシア空軍と有志連合空軍との合同作戦に加わるよう提案する」と述べた。

 合同作戦には国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系武装組織「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」など、2月に米露が仲介した停戦協定を支持しない非合法武装勢力への空爆が含まれるとショイグ国防相は述べた。さらには「シリア・トルコ国境を違法に越境している武器や弾薬を輸送している武装集団」を標的にすることも提案し「こうした措置を講じることにより、シリア領内全体の和平調停プロセスへの移行を確実なものにする。もちろん、シリアの指導者はこれらの措置に合意している」と述べた。

 しかし米国防総省のジェフ・デービス(Jeff Davis)報道官は、米軍は「シリアでのいかなる作戦においてもロシアと協調も連係もしない」と述べ、ロシアの提案を却下した。

 米国務省のジョン・カービー(John Kirby)報道官も「何も合意されていはいない」と述べ、停戦協定違反の「大部分」を犯しているのはアサド政権側だとした上で「ロシアの作戦と支援がアサド政権(の存続)を可能にしている。われわれの焦点はISIL(イスラム過激派組織『イスラム国、IS』の別称)を弱体化させ打ち負かすことだけだ」と述べた。(c)AFP/Gabrielle Tétrault-Farber