【7月18日 AFP】トルコで軍の一部勢力が試みたクーデターでは、地元報道機関も銃で脅されて首謀者らの声明を読み上げさせられたり、反乱部隊に襲撃されたりするなどの被害を受けた。その一方で、クーデターは成功しないと人々に確信させる役割も果たした。

 国営テレビ局TRTの司会者は15日夜、「祖国平和評議会(Council for Peace in the Homeland)」を名乗る集団の声明を読むよう強要された。この集団は当時、トルコ正規軍の上に立つとし、国内を掌握したと主張していた。

 TRTのアンカーウーマンを務めるティジェン・カラシュ(Tijen Karas)さんはテレビ放送されたインタビューで、生番組への出演中に起きた今回の事態を振り返り「銃で脅されて(クーデター首謀者らの)声明を読み上げました」と明かした。

「彼らは私たちを後ろ手に縛り、何も質問するなと言いました。それから3~5人を残して密室に連れて行き、残った人たちに放送をさせたのです」と緊迫した現場の様子を説明した。

 TRTの放送から数時間後、武装した兵士らの集団がイスタンブール(Istanbul)にあるトルコ最大のメディアグループの一つ、ドアン・メディア・グループ(Dogan Media Group)の施設を襲撃した。同社はCNNトルコ(CNN-Turkey)や日刊紙ヒュリエト(Hurriyet)、同紙の姉妹紙で英字紙のヒュリエト・デーリー・ニューズ(Hurriyet Daily News)などを所有する。

 CNNトルコは一時、放送を中断させられた。