【6月29日 AFP】イエメン各地で28日、戦闘が激化し、合わせて80人が死亡した。うち半数近くが一般市民だったという。当局が明らかにした。

 軍関係者の話によると最も多くの死者を出したのは、サウジアラビア主導の連合軍が南西部タイズ(Taez)県で夜明け前にイスラム教シーア派(Shiite)系の反政府武装勢力「フーシ派(Huthis)」に武器を運んでいたトラックを標的に行った空爆で、一般市民19人、武装勢力15人の34人が死亡した。死者のうち4人が女性だった。

 イエメンでは前日の27日にも南部ムカラ(Mukalla)でイエメン軍の兵士らを標的にした自爆攻撃が相次ぎ、少なくとも42人が犠牲になっていた。この攻撃については、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出している。

■死者6400人、クウェートでの和平交渉に進展なし

 国連(UN)が仲介してフーシ派とアブドラボ・マンスール・ハディ(Abd-Rabbo Mansur Hadi)暫定大統領派の和平協議がクウェートで長期にわたって行われている。

 今月25日夜にクウェートの首都クウェート市(Kuwait City)に入った潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長は26日、和平へのロードマップを受け入れて15か月続いている紛争を解決するよう全当事者に呼び掛けたが、交渉に進展はみられていない。

 フーシ派は2014年9月にイエメンの首都サヌア(Sanaa)の政府庁舎を一時占拠。昨年3月にサウジアラビア主導の連合軍が介入を開始した。国連は、それ以降イエメンでは6400人以上が死亡し、その多くは一般市民だとしている。(c)AFP