■「帰国したら、狩りや釣りに出かけたい」

 フリン少佐がF18戦闘機に乗り込むと、戦闘機を離陸地点まで導くフライトデッキ・コントローラーのチャド・クラーク(Chad Clark)氏(43)が出てきた。

「きちんとコントロールされた混乱のようなもの。私たちは、アメフトでチームメートに指示を出すクオーターバックのような役割をしている」と、クラーク氏は戦闘機がバレエのダンスを踊るように次々と離陸していく様子について語った。離陸してから2秒で、戦闘機のスピードは時速265キロに達する。

 トルーマンの全長はニューヨーク(New York)のエンパイアステートビル(Empire State Building)の高さより長く、デッキの面積は4.5エーカー(2ヘクタール弱)だ。小規模な農場ぐらいなら、すっぽり入る広さだろう。

 しかし、デッキで働く乗員は少ない。大多数の乗員はデッキの下で、散髪から毎日2万食の用意まで、さまざまなサポート業務に携わっている。変化のない生活の気分転換として、映画の鑑賞会やチェス大会、「アメリカン・アイドル」ならぬ「トルーマン・アイドル」という歌唱コンテストも催されている。

 だがトルーマンの戦闘グループの指揮官を務めるブレット・バチェルダー(Bret Batchelder)少将は、7か月近く海上で生活しているなか、帰国できる日が待ち遠しいと語る。

「乗員たちは任務の延長を淡々と受け入れたが、心はもう家に戻っている」と、アフガニスタンやイラクへも派遣された経験がある少将は言う。

 コロラド(Colorado)州出身の彼は、「(帰国したら)ロッキー山脈(Rocky Mountains)に登るつもりだ」と語った。「狩りをしたり釣りをしたり、ただ家族と一緒にしばらくリラックスして過ごしたい」(c)AFP/Angus MACKINNON