【6月6日 AFP】世界ロードレース選手権(WGP 2016)第7戦のカタルーニャGPは5日、カタロニア・サーキット(Circuit de Barcelona-Catalunya)でMotoGPクラスの決勝が行われ、モビスター・ヤマハ(Movistar Yamaha)のバレンティーノ・ロッシ(Valentino Rossi、イタリア)が優勝し、世界王者のタイトル獲得に向けて大きな弾みをつけた。

 ポールスタートだったレプソル・ホンダ(Repsol Honda)のマルク・マルケス(Marc Marquez、スペイン)が僅差で2位に入り、年間優勝争いでリードを拡大。総合2位につけるヤマハのホルヘ・ロレンソ(Jorge Lorenzo、スペイン)は、ドゥカティ(Ducati Team)のアンドレア・イアンノーネ(Andrea Iannone、イタリア)に追突されてリタイアとなり、ノーポイントに終わった。

 第7戦まで終えて総合順位はマルケスが計125ポイントで首位に立ち、同2位のロレンソが115ポイント、3位のロッシが103ポイントで続いている。

 この日のレース前には、4日のフリー走行で事故死したSAGチーム(SAG team)のルイス・サロム(Luis Salom、スペイン)選手に向けて黙とうがささげられた。サロム選手が8歳だった2000年に、当時のWGPでは最高峰の500ccクラスで初優勝を飾ったロッシは、自身のスキル、精神力、そして経験を駆使してマルケスの猛追をかわし、キャリア114勝目となるMotoGP通算88勝目を挙げた。

 つらい出来事に見舞われるなか、ロッシとマルケスがバイクを降りた際に握手を交わし、2015年シーズンから続く敵対関係に一線を引くという感動的な場面もみられた。

 ロッシはMoto2クラスで優勝したアジョ・モータースポーツ(Ajo Motorsport)のヨハン・ザルコ(Johann Zarco、フランス)、Moto3クラスを制したエストレージャ・ガルシア0,0(Estrella Galicia 0,0)のホルヘ・ナバーロ(Jorge Navarro、スペイン)とともに、勝利をサロムにささげている。

 ロッシはレース後、「素晴らしい勝利だ。自分のキャリアでもベストの一つになる。サロムとご家族にささげる」と語った。(c)AFP