■遭難信号は発せられず

 同機が墜落前に遭難信号を出さなかったとみられることからも、テロが最も高い可能性として残ると、専門家らは指摘している。

 元フランス航空事故調査局(BEA)局長のジャンポール・トロアデク(Jean-Paul Troadec)氏は、「技術的な問題や火災、エンジン故障が、瞬時に事故を引き起こすことはあり得ない。乗組員には通常対応する時間があるが、同機の乗組員は何も言わなかった」と指摘している。

 墜落が爆弾によるものだったと判明した場合、捜査当局が直面するのは、昨年のイスラム過激派によるパリ襲撃事件以降、厳戒態勢にあるフランスで、最も発着の多いシャルル・ド・ゴール(Charles de Gaulle)空港の出発便に、どのようにして爆弾が持ち込まれたのか、という疑問だ。

 航空機位置情報サービス「フライトレーダー24(Flightradar24)」によると、同機は墜落前の2日間にエジプト、チュニジア、エリトリアに飛んでおり、フランス到着前に爆弾が機内に持ち込まれた可能性もある。(c)AFP/Juliette MICHEL Tangi QUEMENER