■「最高を求め」

 英国人の元バイオリン奏者ロージー・マイカ・ケレット(Rosy Mica Kellett)さん(50)は、MtF(男性から女性へ)の性別適合手術を受けるためにインドを訪れた。担当した医師の評判が良く、費用も1万4000ポンド(約220万円)と、英国の半分以下でタイよりも安かったことが決め手だった。

「タイでの同じ種類の手術についての評判を聞いたけど、私の医師ほど素晴らしく高度な技術を持っていないようだった」とケレットさんは語る。「私は最高を求めていたけど、本当に最高の手術を受けることができた」

 業界関係者によると、インドの医師らはトランスジェンダー向け手術に用いる独自の技術も開発している。こうした手術には、より複雑であるため提供する機関が少ないFtM(女性から男性へ)の性別適合手術も含まれるという。

 だが、インド商工会議所連合会(FICCI)のショバ・ミシュラ・ゴシュ(Shobha Mishra Ghosh)氏は、この分野でインドがトップに立つには、さらなるビザの簡素化のような政策や、空港でのヘルプデスクや通訳者の充実などが必要だという。「そうした業界全体の協調体制をしっかりできれば、他の国に行ってしまっている流れをわが国の方へ向けることができる」

(c)AFP/Annie BANERJI