■島を巡ってきた?

 最も有力な推測としては、サルが流木に乗って島から島へ巡ってきたか、あるいは嵐で海に流されたことなどが考えられるという。リンコン氏は「大陸間を横断する方法の中で、唯一即座に却下できるのは、サルが歩いて渡ったということだ」と指摘する。

 科学者らは化石の発見を目的に、長年にわたってパナマの深いジャングルで発掘調査を続けてきた。そして化石の発見に向け、かつてない機会を提供したのは、2007年に開始されたパナマ運河の拡張工事だった。

 総工費56億ドル(約6100億円)の拡張工事では、技師らによって運河の土手がダイナマイトで爆破処理された。STRIのカルロス・ハラミロ(Carlos Jaramillo)氏は、「(これによって)われわれにとっての宝の山が出現することになった。ここには、この新種ザルを含む多くの化石が眠っていた」と説明している。

 ネイチャー誌には、「これは、熱帯地方の岩盤を調査するための、信じられないほど素晴らしいチャンスであり、千載一遇の機会だった」と話すブロック氏のコメントも掲載されている。(c)AFP/Juan José Rodríguez