【4月4日 AFP】イタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)で活躍したチェザーレ・マルディーニ(Cesare Maldini)氏が3日、84歳で亡くなり、同リーグの各試合で哀悼の意がささげられた。

 1990年代以降のミランの象徴とされるパオロ・マルディーニ(Paolo Maldini)氏の父であるチェザーレ氏は、1954年から1966年までロッソネリ(Rossoneri、ACミランの愛称の一つ)に所属し、スクデット(リーグ優勝)を4回獲得するなど、通算412試合に出場した。

 チェザーレ氏はまた、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)の前身ヨーロッパチャンピオンズカップ(European Cup)1963年大会で、エウゼビオ(Eusebio da Silava Ferreira)を擁するポルトガルの強豪ベンフィカ(Benfica)を破り、ミランでイタリア勢の同大会初制覇に貢献した。

 1967年に現役を引退するまで、チェザーレ氏はイタリア代表として1962年のW杯チリ大会を含む通算14試合に出場。そして1973-74シーズンにミランの指揮官に就任したものの、 成績不振で政権が1年も持たず、途中でジョバンニ・トラパットーニ(Giovanni Trapattoni)氏に後を引き継いだ。

 一方、ミランも声明を発表し、「シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)会長をはじめとするクラブ全員が、彼のカリスマ性、優しさ、そして誰からも好かれる温かい笑顔を決して忘れることはありません」とコメントした。

「マルディーニ家にお悔やみを申し上げます。そして、ロッソネリの歴史を代表する重要な人物を失ったこと対して、ACミラン全員が嘆き悲しんでいます」

 1998年のW杯フランス大会でイタリア代表の指揮を執ったチェザーレ氏だったが、時代遅れの戦術と選手の起用法を伊メディアに連日批判され、大会後には退任に追い込まれた。

 その後、スカウト責任者としてミランに復帰したマルディーニ氏は、当時チームを率いていたアルベルト・ザッケローニ(Alberto Zaccheroni)氏の解任を受け、シーズン終盤の2001年3月に暫定監督に就任すると、インテル(Inter Milan)戦では6-0で大勝した。

 現役時代にサンプドリア(Sampdoria)やラツィオ(SS Lazio)などでプレーし、現在はインテルで指揮を執るロベルト・マンチーニ(Roberto Mancini)氏は、チェザーレ氏に哀悼の言葉を述べている。「マルディーニ氏が亡くなり、イタリアのサッカー界は指導者を失った。息子のパオロとご家族にハグを。チャオ、チェザーレ!」

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