■セレーナやマレーが不快感

 ジョコビッチの謝罪に先立ち、セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)は、賞金額に差をつけるべきとの考え方に「失望していると言わざるを得ない」とコメントし、今年で2歳になる息子の父親であるジョコビッチに娘ができた場合、どのように話をするのか疑問を呈していた。

「彼には発言の自由がある。彼には息子がいるけど、もし娘が生まれたら、『兄さんはお前より多くのお金がもらえて当然なんだよ』と言うべき」

「私は性別を比較の対象にしたくなんかない。男子にも女子にも、スポーツの素晴しさを教えてくれる多くの素晴らしい選手がいる。全てのアスリートが極限まで努力している。もし私に息子と娘がいたら、性別を理由にどちらかがより多くに値するなんて絶対に言わない」

 アンディ・マレー(Andy Murray、英国)は、「全てを一緒くたにはできない。その日の試合によって状況は異なる。ここ数年は男子において偉大なライバル対決があった。そういったことでテニス界全体が盛り上がる。男子の試合だけではない」と話している。

 マレーはまた、ムーア氏が騒動のきっかけとなった発言をした直後、BNPパリバ・オープンの女子シングルス決勝で、ビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka、ベラルーシ)が世界1位のセレーナを相手に番狂わせを起こしたタイミングの良さに驚きを示している。

「発言のタイミングが奇妙だった。1万6000人が駆けつけた素晴しい決勝戦の前だったんだ。あのような決勝戦の直前だったので、全てのことがとても奇妙で残念だ。全く理解できない」