T・レックスに「ウマ」サイズの近縁種、進化解明のカギに
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■ウズベキスタンの砂漠で発見
約1億7000万年前に登場した最初のティラノサウルス類恐竜は、人間くらいの大きさだった。ティムルレンギアの骨の化石はウズベキスタンで発見された。ティムルレンギアは約9000万年前に、そこに生息していた。
8000万年前~6600万年前の白亜紀後期まで、大型爬虫類の頂点に君臨したT・レックスは、体重が7トンを上回ることも多かった。
論文によると、T・レックスがどのようにしてそれほど巨大化したのかはほとんど解明が進んでいない。その主な理由は「白亜紀中期の化石記録に2000万年以上に及ぶ空白期間があるからだ。白亜紀中期は、ティラノサウルス類が体の小さな肉食動物から、巨大な頂点捕食者に変化した過渡期に当たるが、この時代の化石標本で、その特徴を示すものの存在は知られていない」からだという。
今回の新発見は「この空白期間から見つかった初の、特徴的なティラノサウルス種恐竜」だという。
ティムルレンギアの化石標本は、ウズベキスタン北部のキジルクム砂漠(Kyzylkum Desert)で1997~2006年に実施された、エディンバラ大の研究者らが率いた古生物学者チームによる発掘調査で発見された。
ティムルレンギアの頭蓋骨はT・レックスのものに比べてはるかに小型であることから、体もまだそれほど大型化していなかったことを示唆しているが、頭蓋骨の形態は「脳と感覚能力がすでに高度に発達していたこと」を明確に示していると、論文は指摘している。(c)AFP/Jean-Louis SANTINI