■文化遺産を後世へ

 地元の食の専門家たちも、希望は捨てていない。点心は香港で今も根強い人気を誇り、海外でも注目が集まっていることから、若い料理人たちの挑戦が期待できるという見方もある。確かに香港の飲茶レストランのいくつかは「ミシュランガイド(Michelin Guide)」で星を獲得するなど、国際的に高い評価を受けている。

 地元のフードブロガー、KC・クー(KC Koo)さんは、広東文化の重要な一面を成す手作り点心の伝統を守っていくことが重要だと言い、「マーケットはすでにあるのだから、若手も登場するはずだと確信している」と話す。

 チュウイさんの店「スゥン・ヒン」でも、48歳になる息子のクウォクヒンさんが、父親の後を継ごうと奮闘している。疲労困憊(こんぱい)の日々についてクウォクヒンさんは、「調理場には午前1時半に入る。昼夜逆転しているので、外国に引っ越したのかという気がする時もある」と苦笑いする。

 それでも暗い中、起き出して働く価値を感じているとみられ、「みんな朝点心を食べるのが好きなんです。出勤前にお茶で元気を出していく。おいしいと思ってもらえたらうれしい」とコメントしている。

 また、苦労して手にした店の評判を維持していかなければという思いにも駆られている。「父は85歳だけど、まだここで働いている。若い世代の私たちは、さらに上を目指して頑張らないと!」(c)AFP/Dennis CHONG