香港の手作り点心、こだわりの伝統守れるか?
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■10代のホープ
「心に触れる」という意味を持つ「点心」は中国南部発祥の広東料理で、お茶を飲みながら楽しむのが一般的だ。ひき肉やエビを包んだシューマイをはじめ、カスタードクリーム入りのまんじゅうや蒸したスポンジケーキのマーラーカオ(馬拉糕)といった甘味も広く知られている。
かつては週末に何時間もかけて満喫するごちそうの一部だったが、今では地下鉄駅構内にテークアウト用の店を設けるなど、ファストフード的な売り方をしている点心レストランも目立つ。また需要は増えているものの、店舗の賃貸料が高いという事情もあり、コストを抑えながら提供量を増やそうと、中国本土で大量生産された点心も出回っている。
一方で、点心の調理法が廃れてしまわないよう、積極的な取り組みを行っている人たちもいる。有名五つ星ホテル、ペニンシュラ(Peninsula)にあるレストラン「嘉麟楼(スプリングムーン 、Spring Moon)」では、点心を一から手作りする若手料理人のコンテストを企画した。10代の調理師たちが白いシェフの制服を身にまとい、生地を練ったり繊細な詰め物を作ったりしている。コンテストを主催した同レストランの料理長、フランキー・タン (Frankie Tang)氏は「この業界に若い人たちを引き付ける必要がある。求められているのは職人技だ」と語る。
コンテストの決勝戦に残った5人のうち、ハスの実入りの揚げ物や、フルーツ春巻きなどを作って優勝したのは、17歳のウー・チュヨンローンさんだった。賞金2万5000香港ドル(約40万円)と、同ホテルで1年間修行を積むチャンスを勝ち取ったウーさんは「みんなに点心(の作り方)を忘れさせてはいけないと思う。これからも伝統を発展させていくべきだ」と意欲を示した。