■異常気象

 温暖化により、巨大暴風雨や大寒波、強烈な熱波がより頻発するようになり、その程度も激しくなる可能性がある。

 特殊な気象事象と気候との関係を解明することは難しいが、最近の研究により、気候変動は、破壊力の大きい洪水や吹雪、台風、熱波などの各事象を強めることが判明している。ただし、大型のハリケーンや熱波など、全ての気象事象の原因が気候変動にあるわけではないと専門家は注意を呼び掛けている。

■降雨量の地域格差

 温暖化によって、長引く干ばつや大規模な洪水が発生したりするケースも想定できる。つまり、ある地域では降雨量が不足し、別の地域では極端に多いといったことが起きる。

 現にシリアや米カリフォルニア(California)州で起きている干ばつをめぐっては、気候変動と関係があるとされている。一方、大雨では、洪水のリスクが高まり、人々は避難を余儀なくされ、家屋や作物にも壊滅的な被害が及ぶ。

■人道の危機

 温暖化は、感染症の拡大や農作物への被害、貧困層の増加をも引き起こし得る。水や不足した農作物をめぐる対立が紛争に発展したり、大規模な移住を引き起こしたりする可能性もある。

 モルディブのように海抜が低い島々やインド洋に浮かぶ群島、フィリピン諸島では、海面上昇により、移住を余儀なくされる「環境難民」が生じる恐れがある。特に貧困層は、居住地への依存度が高く、享受できる社会保障が十分ではないため、熱波や干ばつ、洪水による被害を既に受けている。(c)AFP