【11月23日 AFP】2016年米大統領選挙の共和党の候補者指名を争うドナルド・トランプ(Donald Trump)氏(69)は22日、拷問だとして非難されている「水責め」と呼ばれる尋問手法の復活を呼び掛けた。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のしていることに比べれば水責めは「取るに足らないこと」だとしている。

 この提案は、フランスの首都パリ(Paris)での同時テロ事件を受け、テロの脅威への対応策として行ったもの。同氏は先週にも、米国内の全イスラム教徒を登録するよう呼び掛け、論争を引き起こしていたが、今回の米ABCニュース(ABC News)とのインタビューでは、強硬発言をさらにエスカレートさせた。

 トランプ氏はテロ容疑者に対する尋問の手段としての「水責め」について、「私だったら復活させる。水責めは、奴らがわれわれにしたこと、していること、(米国人ジャーナリストの)ジェームズ・フォーリー(James Foley)氏を斬首したことに比べれば、ピーナツ(取るに足らないこと)だ」と語った。

 水責めは、2001年9月11日の米同時多発テロの容疑者少なくとも3人への尋問に米中央情報局(CIA)が用いた手段だが、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領が2009年に就任した直後にその使用を禁止した。

 トランプ氏は一方で、共和党の他の大統領選候補者などから非難が殺到していたイスラム教徒追跡やモスク(イスラム教礼拝所)閉鎖の主張については、自身の立場を若干修正。「モスクを閉鎖したいわけではない。モスクを監視したい。監視下に置かれたモスクならいい」と語った。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)とABCニュースが行った最新の全国世論調査によると、共和党の候補指名争いでのトランプ氏の支持率は32%で、2位の元小児神経外科医のベン・カーソン(Ben Carson)氏に10ポイントの差を付け首位となっている。(c)AFP/James MANNION