Q:これから先、世界はどのようになると思いますか?

A:
まず、資本主義はあと数十年で終焉を迎えると僕は思います。これをネガティブに捉えるのではなく、かえってエキサイティングなことだと捉えたほうがおもしろいのではないかと。今までの社会は、収益の極大化を最大の目標とし、またそれを優先するような集団と仕組みを作り続けてきましたが、いま僕らは資本主義が終わりゆく体制なかで、次のルール、レギュレーションをどのようにつくっていくのかが問われていると思います。

 資本主義の今後を考えた時、次に考えられるのはある種の先祖返りです。いろんなことにお金を払う事があたりまえでしたが、お金以外の交換が増える、ある種のオーソドックスな時代へと戻ると思います。これまで生産性重視で世の中が動いてきたけれど、ここにきて働き方やワークバランスを考えるようになった。人々は人生において消費や経済効率に追い回されない「本当に大事なこと」の選択をし始めたんですね。自分のために時間を使うことの大切さや、家族、友人との時間を重視することの意味を考え始めている。


Q:
これからの日本の未来にどのような可能性を感じますか?

A:
日本は変わらず世界市場でも重要な国であることは変わらないと思いますが、楽観的な見方をすると、新しい穏やかな社会を日本は実現できる可能性があると思います。資本主義は、社会全体を成長させることがモチベーションではなく、資産を持つ者の収益を最大限化することを目的とする世界でしたが、それが変わってくると思います。日本が向かうのは欧米的な極端な二極化社会ではなく、穏やかな中産階級が生きやすい国になるでしょうし、そうならないと日本は富裕層もいないより貧しい国になる。ある種の 「穏やかさ」が日本には潜在的にあって、冨の集中化を誇るようなラグジュアリーの追求にはそもそも向いていないと僕は思います。日本の美味しい定食屋や地 方のいい旅館のように、質の高い商品と質の高いサービスを、ラグジュアリーなスタイルと方法論ではなく、普段の生活で適当な価格で受けられるのが日本の良さですよ。海外で成功している日本企業、TOYOTAやユニクロなどもまさにそういう中庸さを持っていますよね。しかし、それは受け身でじっと待っていたら実現する社会でもなく、グローバル資本主義の激しい競争状態の中で、新しい価値観の実現に向けて、知恵と人材と技術を注ぎ込んだ集団と都市が、次なる時代のアドバンテージを取れるのだと思います。

■関連情報
「ライフスタイル・フォー・セールス」過去記事一覧
・平凡社「物欲なき世界」 http://www.heibonsha.co.jp/book/b210465.html
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