【11月11日 MODE PRESS】これまで数々の雑誌や写真集などを世に送り出してきた名物編集者、菅付雅信(Masanobu Sugatsuke)氏が、新刊『物欲なき世界』を11月4日に平凡社から出版した。

 2013年7月から2014年12月にわたって、菅付氏がMODE PRESSで連載した「ライフスタイル・フォー・セールス」を元にさらに深く掘り下げた本書は、人々の物欲がなくなった現代社会や生き方の変化に切り込み、消費が飽和した後に来る世界を膨大な取材と圧倒的な情報量で描き出した。今回新刊が発売したばかりの菅付氏に話を聞いた。

■インタビュー:菅付雅信氏[物欲なき世界:著者]

Q:前作「中身化する社会」と比べて今回の「物欲なき世界」は書き上げるまでどのようなプロセスを経て完成したのでしょうか?

A:
新作の第3章までは、MODE PRESSで連載していた「ライフスタイル・フォー・セールス」を下敷きに展開しています。第4章以降は、さらに時間をかけてより深く今回のテーマを紐解いてくれる人たちを取材していきました。予定ではもっと早く出版するはずでしたが、思った以上に奥の深いテーマだったということもあり、最初の予定よりも遥かに多くの取材をして情報を集めたので、約1年近く出版が後ろ倒しになりました。

 前作[中身化する社会]で取り上げた、ソーシャル メディアで極端な可視化が進んでいるというテーマは、時代に早すぎた感は出版後に少し感じましたが、先進都市では間違いなく人々の価値観が変化しはじめていたと確信しています。そして前作に比べて今作は、もっと多くの人に入りやすい内容になっているのではないかとおもいます。