【10月29日 AFP】全身を超低温にさらして冷やすことで痛みを抑えたり筋肉組織や皮膚の再生を促したりできるとして人気上昇中のクライオセラピー(凍結療法)で、女性が「凍死」する事故が起き、米当局が調査に乗り出した。

 事故が起きたのは、米ネバダ(Nevada)州ラスベガス(Las Vegas)にあるビューティーサロン「リジュブナイス(Rejuvenice)」。チェルシー・エイクサルバシオン(Chelsea Ake-Salvacion)さん(24)は今月初め、クライオセラピー装置の中で死亡しているのを出勤してきた同僚に発見された。前日の勤務終了後、仕事の疲れを癒やそうと装置に入ったとみられる。

 チェルシーさんのおじは地元メディアの取材に、電話ボックス大の装置内部で見つかった遺体は「かちかちに凍っていた」と語った。

 警察はチェルシーさんの死に不審な点はないとして捜査を打ち切ったが、ネバダ州当局は28日、クライオセラピーの安全面などに関する調査を行うと発表した。

 クライオセラピーは芸能人やスポーツ選手にも人気だが、規制は一切ないのが現状だ。推進者らによれば、全身を超低温に冷やすことで筋肉の痛みやストレス、リウマチ、皮膚疾患などの治療に効果があるとされる。施術でさらされる温度は零下150度に達することもあるという。

 専用の装置に3分間入るセラピー費用は最高100ドル(約1万2000円)。装置に入る際は、凍傷や霜焼け防止のため手袋やスリッパを着用する。

 アイスバッグや冷水浴に代わるアイシング方法としてクライオセラピーを利用するスポーツ選手は増えており、米プロバスケットボール協会(NBA)のスター選手、レブロン・ジェームズ(LeBron James)氏もその一人。ニューヨーク(New York)やロサンゼルス(Los Angeles)など、米各地にクライオセラピーを提供するサロンが増えている。

 ロサンゼルスにある健康施設のウェブサイトでは、多くのプロスポーツ選手が「全身クライオセラピーは短時間で回復でき、競技パフォーマンス向上が図れる強力な治療法であることを発見した」と紹介されている。その一方で、クライオセラピーの医学的効果は証明されておらず、短期的・長期的効果についてはさらなる研究が必要だと、多くの専門家が指摘している。(c)AFP/Jocelyne ZABLIT