【3月2日 AFP】健康法の流行はめまぐるしく変わるが、米国の一部の「新米母」たちから絶賛され出産後の新習慣として今じわじわと広がりつつあるのが、子どもが生まれて不要になった自分の胎盤を食べるというものだ。

 現代医学を避けて自然療法を好む女性や最新トレンドに敏感なハリウッド(Hollywood)のセレブたちは、自分の胎盤を食べると活力がわき、栄養たっぷりの母乳が出る上に産後うつも予防できると、こぞってこの新しい「プラセンタ(胎盤)療法」に夢中になっている。

「胎盤食」と呼ばれるこの療法では、食べ方は液体でも、固体でも、製剤に加工したものでも良いとされる。妊娠中、40週間にわたってへその緒を通じて胎児に栄養や酸素、ホルモンを供給している胎盤は血管が発達しており、鉄分を豊富に含んでいる。わが子を産んだばかりの女性たちに胎盤食を勧める助産師もいる。

「胎盤はビタミンやミネラル、ホルモンが豊富で、くたくたに疲れた産後女性の体を修復してくれる」と、助産師のクラウディア・ブッカー(Claudia Booker)さん(65)はAFPの取材に語った。ブッカーさんは胎盤を数週間保存できるカプセル剤に加工し、270ドル(約3万2000円)で提供している。

 その加工過程には、科学者よりも料理人の方が親しみがあるかもしれない。まず、胎盤の汚れを落とし、血を抜き、蒸してから乾燥機の中に一晩置く。乾いた胎盤を細切りにし、コーヒーミルで粉末状にしてから、小さなカプセルに詰める。ブッカーさんはこの手法を中国人の鍼灸師から教わったという。