■「だれもイングランドでW杯をやりたがっていない」

「この最高のスポーツの発祥地はイングランドだ。そして、フェアプレーの精神を創り出したのもイングランドだ」

「ところが、(投票では)イングランドには1票しか入らなかった。だれもイングランドでやりたがっていない」

 インタビューで容赦ないコメントを続けたブラッター会長は、今回のFIFAの危機を招いたそもそもの原因は、プラティニ氏にあると指摘している。

 5月29日に実施された会長選で、ブラッター会長のほかに最後まで残ったのはヨルダンのアリ・ビン・アル・フセイン(Ali Bin Al Hussein)王子のみで、最終的にはブラッター会長が5選を果たしている。

「プラティニはFIFAの会長になりたかった。しかし、自分で前に出る勇気を持っていなかった」

「その結果がこれだ!そして誰もがプラティニは被害者だと言っている!」

「UEFAは私を会長にしたくなかったが、思い通りにならず、私は再選された。(UEFAは)もう何年も前から、反FIFAのウイルスに侵されているんだ」

 2016年2月26日に行われる新たな会長選については、数日前に立候補の受け付けが締め切られ、プラティニ氏も28日、ほかの6人とともに届け出を受理された。

 以前までであれば、プラティニ氏の当選は確実で、FIFAの頂点に立つという見方が大勢を占めていたが、危機が新たな展開を見せるなかで、プラティニ氏も致命的とはいわないまでも、大打撃を受けている。

 ブラッター会長とプラティニ氏は、プラティニ氏がブラッター会長の相談役として働く見返りとして、200万ドルの受け渡しがあったとして、ともにFIFAから活動禁止処分を言い渡されている。

 それまで次期会長の最有力候補とされていたプラティニ氏だが、会長選までに身の潔白を証明できず、処分が撤回されなかった場合は、選挙に参加することができない。

 FIFAの会長選には、プラティニ氏のほかに、アリ氏、ムサ・ビリティ(Musa Bility)氏、ジェローム・シャンパーニュ(Jerome Champagne)氏、ジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)氏、サルマン・アル・ハリファ(Shaikh Salman bin Ebrahim Al Khalifa)氏、トーキョー・セクワレイ(Tokyo Sexwale)氏が立候補している。(c)AFP