【10月27日 AFP】サッカー元ドイツ代表の名選手、フランツ・ベッケンバウアー(Franz Beckenbauer)氏が26日、2006年W杯ドイツ大会の招致活動において、「間違い」があったことを認めたものの、票を買収したことについては否定した。

 独ニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)は先日、ベッケンバウアー氏がW杯の組織委員会だけでなく、招致委員会の会長を務めていた2006年大会について、買収による票集めがあったとする批判記事を掲載していた。

 70歳のベッケンバウアー氏は、発表した声明の中で、招致委が「拒否すべき」提案を受け入れたと明かし、「この間違いについての全責任」は自分にあると認めたものの、「買収された票はない」と主張した。

「皇帝」の異名を持ち、ドイツ代表の監督も務めた経歴を持つベッケンバウアー氏が、何らかの過ちを犯したことを認めたのは今回が初めてとなる。

 ベッケンバウアー氏は、「国際サッカー連盟(FIFA)の承諾を得るため、われわれはFIFA財政委員会の提案を受け入れたが、振り返ってみれば、関係者はそれを拒否すべきだった」と述べた。

「この過ちの責任は、当時の組織委員会で会長だった私にある」

 しかしながら、ベッケンバウアー氏は、「2006年のW杯開催権を獲得するために、買収された票は一切ない」としている。

 2000年に実施された2006年W杯開催地決定の投票では、ドイツが12対11で南アフリカを破り、開催権を手にしたが、シュピーゲル誌によると、ドイツがアジア出身のFIFA理事4人の票を買収したとされている。

 すでに他界した1人を含む渦中の4人は、シュピーゲル誌の記事についてコメントしていないなか、ドイツサッカー連盟(DFB)は、不正行為の存在について断固否定しており、独立機関による内部調査を独自に行っているとしている。

 ベッケンバウアー氏は同日、独ミュンヘン(Munich)で調査委員会の事情聴取を受けたと明かしている。

 2006年W杯の買収による票集めについては、FIFAも独自の調査を進めている。(c)AFP