■線審にボールを打った場面について「何も悪いことはしていない」

 上海(Shanghai)の観客に交じって、オーストラリアの伝説的な名選手ロッド・レーバー(Rod Laver)氏、さらには自らの母親が見つめるなか、キリオスは第2セットの終盤、ルーズボールをバックハンドで思い切りたたき、線審は身をかがめて ボールを避けなければならなかった。

 線審の方にボールを打ったことについて、キリオスは「やらない方が良かったんだろうね。だけど、そんなにまずいことではないと思っている。まあ、起こったことを今さら変えられるわけじゃないしね」と語った。

 これに対して、試合の審判を務めたモハメド・ライアニ(Mohamed Lahyani)氏は、「私の見解では危なすぎる。あんなに強く打つなんて」と話しており、キリオスに反スポーツマン的行為での規定違反を言い渡した。

 しかし本人は、「誰かに当たったわけでもないのに、反スポーツマン的?もう少しで当たりそうだったというわけでもない。まあ、とりあえず映像を見返してみよう。別に大したことじゃないはずだから」と反論している。

 キリオスがライアニ氏と衝突するのは今回が初めてではなく、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2015)では、キリオスが同氏に対して「汚い野郎」と暴言を浴びせたとされている。

 キリオスはこの日の試合でも、たびたびライアニ氏に文句を言い、さらにはボールボーイに向かって「水だ、水!」と叫び、おびえさせる場面もあった。

 キリオスは試合後、「今日はコートで何も悪いことはしなかったはずだ。精神的にも落ち着いてたと思う。感情は表に出したけれど、同時にプレーも抜群だった」と語った。(c)AFP