【10月7日 AFP】シリア国営テレビは6日、ロシア軍の戦闘機が、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が掌握している、古代都市で知られるシリア中部のパルミラ(Palmyra)とその周辺地域を初めて爆撃したと報じた。

 シリア国営テレビはある軍関係者の話として、「ロシア空軍はシリア空軍と連携し、ISが掌握しているパルミラとその周辺の拠点を標的とした」と伝えた。さらにこの空爆で、「装甲車20台、弾薬庫3か所、ロケット発射装置3基」を破壊したという。

 在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、この空爆は夜間に実施され、IS戦闘員少なくとも15人が死亡、数十人以上が負傷したという。

 ISは今年5月、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録されている遺跡があるパルミラを制圧。貴重な遺跡などを破壊しており、国際社会が恐れていた事態を現実のものとしている。

■ロシアは否定

 一方、パルミラでの空爆についてロシア国防省は同日、「全くのでたらめ」だとしてシリア国営テレビの報道内容を否定。ロシアのメディアは同省報道官の話として、「ロシア機がパルミラに対する空爆を行ったとする外国の報道はいずれも全くのでたらめだ」と伝えた。

 さらにこの報道官は、「シリアに入っているわが国の軍用機が住宅地を攻撃することはない、ましてや遺産などなおさらだ」と述べたという。(c)AFP