【9月14日 AFP】スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)を退団し、カタール・スターズリーグ(1部)のアル・サード(Al-Sadd)に加入したシャビ・エルナンデス(Xavi Hernandez)が13日、新チームでのリーグ戦デビューを飾った。

 バルセロナでは、7万人以上の観客の前で最後の公式戦を戦ったシャビだが、この日、アル・サードでのシャビのデビューを目にしようと訪れた観客は、わずか2253人にとどまった。

 W杯南アフリカ大会(2010 World Cup)や2度の欧州選手権、さらにはバルセロナ最終戦で欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2014-15)を勝ち取るなど、これまで28個のトロフィーを獲得してきたシャビにとって、ドーハ(Doha)での暑い夜は、輝かしいキャリアのなかでは寂しい部類に入るものだったのかもしれない。

 それでも、所属するアル・サードにとっては完璧なシーズン開幕戦となった。昨シーズン2位に甘んじたアル・サードは、優勝への決意を示すかのように、昇格組のアル・メサイミールSC(Al-Mesaimeer SC)から敵地で4-0の大勝を収めた。

 試合後のシャビは、自身についての質問には答えず、大切なのは結果だけだと力説した。

 シャビは、「勝ててよかった。チャンスもたくさん作れたし、チームとしていいサッカーができた」と話した。

 シャビは前半11分、FKから李正秀(Lee Jung-Soo、イ・ジョンス)の先制ヘディングシュートを演出し、カタールリーグ初アシストを記録している。

 その後もアル・サードが危なげなく試合を支配したため、GKのサード・アブドゥラ・アルドサリ(Saad Abdulla Aldosari)は、観客席から試合をながめていても大丈夫なのではというほど、まったく仕事がなく、気温36度の暑さのなか、後半に給水時間が設けられたにもかかわらず、そこで水を飲むことさえしなかった。

 いつもの背番号6が縫い付けられた、しかし見慣れない白と黒のユニホームをまとったシャビは、後半開始直後に好プレーを連発し、直接FKやヘディングでゴールに迫ると、代名詞であるディフェンスを切り裂くスルーパスで、ムサブ・ケデル(Musab Keder)の絶好機をお膳立てした。

 しかし、あとはゴールを決めるだけという場面で、ケデルのシュートはサイドネットに外れた。それでも試合の大勢に影響はなく、観客もシャビのプレーに酔いしれた。

 後半ロスタイムには、シャビがCKを蹴るためコーナーフラッグに近づいたところで、観客が「シャビ!シャビ!シャビ!」と連呼。シャビが手を振って応えると、歓声はさらに続いた。(c)AFP/David HARDING