【9月12日 AFP】イタリア人と中国人の医師らが、世界初の頭部移植手術を中国で計画している。医療チームの一人が11日、明らかにした。中国における医療倫理に対しては懸念の声も上がっている。

 イタリア人の外科医、セルジオ・カナベーロ(Sergio Canavero)氏らとともに手術を行う予定の中国人医師、任小平(Ren Xiaoping)氏は、予備的な研究と試験が計画通りに進めば、2年以内に移植手術を行いたいと述べている。

「多くのメディアは、私たちが2017年までに手術を行うと報じているが、その前に全てが順調に運べばの話だ」と、AFPの取材に対して任氏は答えた。

 一方、2013年に移植手術の計画を初めて発表したカナベーロ氏は当時、早くて2016年までにはこうした手術を行えるようになると述べていた。

 しかし、障害や未知の部分も多いことなどから、予定通りに手術を実施できる可能性は極めて低いとみられている。

 頭部移植手術にはロシア生まれの30歳の男性が志願している。この男性は進行性の難病、ウェルドニッヒ・ホフマン病を患っている。

 任氏によると、手術は中国東北部・黒竜江(Heilongjiang)省にあるハルビン医科大学(Harbin Medical University)で行われることになりそうだという。だが同氏は、男性の頭部が移植される胴体のドナーや、ドナーが中国人になるかどうかなどについては明らかにしなかった。(c)AFP