【9月9日 AFP】米当局は8日、ロシアの軍用輸送機少なくとも3機が、ここ数日の間にシリアに着陸したことを明らかにした。米政府や北大西洋条約機構(NATO)からは、ロシアがシリアへの軍事支援を強化している可能性を懸念する声が上がっている。

 複数の米当局者らが匿名を条件にAFPに語ったところによると、ロシア軍用機は、シリアの地中海(Mediterranean Sea)沿岸都市ラタキア(Latakia)にある空港に着陸。3機のうち2機は、大型のアントノフ124(Antonov-124)だった。ロシアはまた、同空港に「数百人」が住むのに十分な簡易住宅ユニットや可動型の航空管制設備を設置したという。

 米当局はこれに先立ち、ロシアがシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領への軍事支援を強化し軍の先遣隊を同国に派遣した可能性があるとの情報に対する懸念を表明していた。一方のロシア側はこれを否定し、物資輸送は全てアサド大統領との長年にわたる関係に即したものだと強調している。

 こうした中、ブルガリアはロシア航空機の領空通過を拒否。ギリシャは8日、米当局からギリシャに、ロシア機の領空飛行を許可しないよう求める要請があったことを明らかにした。

 また、イエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)NATO事務総長は同日、ロシアがシリアで軍事支援を強化しているとの情報に懸念を表明し、アサド大統領に対するいかなる支援も内戦悪化につながりかねないと警告した。(c)AFP