【8月21日 AFP】陸上・短距離のウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)は20日、開幕を控える第15回世界陸上北京大会(15th IAAF World Championships in Athletics Beijing)で、競技の話よりもドーピング問題が盛んに取り上げられていることを受け、悲しいとコメントした。

 国際陸上競技連盟(IAAF)がドーピング問題に揺れる一方で、ボルトのライバルと目されるジャスティン・ガトリン(Justin Gatlin、米国)も、ドーピング違反により2度の出場停止処分を受けた過去がある。

 ドーピング問題が「中心的な話題になってしまった」としたボルトは、「ここ数週間、耳にするのはドーピング、ドーピング、ドーピングだ」と話した。

「質問のほとんどがドーピングに関することで、悲しいとしか言いようがない」

 それでもボルトは、自身が陸上界の「救世主」だという見方を否定し、自分一人では状況は変えられないと伝えた。

「本来は自分のために走っている。陸上界のために勝ってくれと言われるが、他にもクリーンな選手はたくさんいるよ」

「陸上界を助けるため、薬に手を染めなくてもできるんだということを積極的に示すのは、全選手の義務だと思う」

 五輪で6つの金メダルを獲得し、男子100メートルと200メートルの世界記録を保持するボルトは、「自分はただIAAFや世界反ドーピング機関(WADA)などの関連団体が定めたルールに従うだけ。みんなルールは知っているんだから、それを順守しなければならない」と続けた。

「僕がすべてを左右するわけではない。陸上界に身を置く一選手だけではできないんだ」

「規則を理解して、それを順守するかは全選手にかかっている。一番になるために頑張るだけだ。そうすれば、陸上界はより良い場所になる」