【7月10日 AFP】火災によって住む家を失った後、夜の舗道でマクドナルド(McDonald's)の店舗から漏れる明かりを頼りに勉強するフィリピン人少年の写真が、インターネットで大きな反響を呼び、少年への寄付が殺到している。

 この少年は、同国中部セブ(Cebu)島のマンダウエ(Mandaue)に暮らすダニエル・カブレラ(Daniel Cabrera)君(9)。母親のクリスティナ・エスピノサ(Christina Espinosa)さん(42)はAFPに10日、現金や学用品、大学奨学金などの寄付を受けたおかげで、カブレラ君の警察官になる夢を実現できそうだと、喜びを語った。

 話題となった写真は先月、大学生のジョイス・トレフランカ(Joyce Torrefranca)さんが交流サイト(SNS)のフェイスブック(Facebook)に投稿したもので、マクドナルドの窓のそばに置かれた木のベンチで宿題をしているカブレラ君が写され、「私は子どもに感銘を受けた」とのコメントが添えられていた。写真はフェイスブックで7000回近くシェアされ、地元テレビも取り上げた。

 カブレラ君は、住んでいた小屋が5年前に火災で焼失して以降、母親ときょうだい2人と共に母親の勤め先の小さな雑貨店で暮らしている。父親は2013年、重度の下痢で亡くなった。エスピノサさんが雑貨店の従業員と雑貨店店主の家事手伝いで1日に稼ぐ収入はわずか80ペソ(約220円)。カブレラ君が勉強に利用しているマクドナルドの店舗は、仮住まいとなっている雑貨店の近くにある。

 エスピノサさんは「息子はとても勉強熱心で意志の強い子です。お金がないので昼食代を渡せなくても、学校には絶対に行くと言います」「いつも私に『ママ、僕は貧しいままでいたくない。夢を実現したい』と言うんです」と語った。(c)AFP