【6月13日 AFP】中国スーパーリーグ(1部)、広州恒大(Guangzhou Evergrande FC)の指揮官に就任したルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督は12日、就任会見に臨み、かつてチームを率いたマルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)氏の成功を基盤としたいと語った。

 広州恒大と2年半の契約を結んだスコラーリ監督は、中国入りした直後に広東(Guangdong)で会見を行った。

 2006年のW杯ドイツ大会(2006 World Cup)でイタリアを優勝に導いたリッピ氏時代の成功を受け、ファビオ・カンナヴァーロ(Fabio Cannavaro)氏が監督を引き継いだが、同氏はわずか6か月で66歳のスコラーリ監督に後を譲っている。

 66歳のスコラーリ監督は、昨年のW杯ブラジル大会(2014 World Cup)でブラジル代表を指揮したものの、準決勝でドイツに1-7の屈辱的な敗戦を喫し、代表監督を辞任している。

 スコラーリ監督はその後、カンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のグレミオ(Gremio)で指揮を執り、チームは昨季7位となったが、戦力補強の要求を受け入れてもらえなかったとして、5月に監督を辞任していた。

 国営新華社(Xinhua)通信は、スコラーリ監督が報道陣に対し、「われわれにプレッシャーはない。リッピが中国サッカーにしてきたことに感謝を示したい。われわれはさらに多くのものをもたらすことができる。長所を高めて短所を改善したい」と語ったと報じている。

 リッピ氏は、昨シーズン広州恒大をリーグ4連覇に導き、2013年にはアジアチャンピオンズリーグ(AFC Champions League 2013)で優勝している。

 リッピ氏が率いたW杯ドイツ大会のイタリア代表で主将を務めたカンナヴァーロ氏は、現役時代イタリア・セリエAのパルマ(Parma FC)やユベントス(Juventus)、スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)などで華々しいキャリアを築いたが、広州恒大ではチームにけが人が続出するなど苦戦を強いられた。

 今季も山東魯能(Shandong Luneng)、北京国安(Beijing Guoan)と並んで首位に立つ広州恒大は、AFCチャンピオンズリーグ(AFC Champions League 2015)でも準々決勝に進出しており、カンナヴァーロ氏の退団理由は依然として明らかになっていない。

 国際Aマッチデーが明けた20日の山東魯能戦が初陣となるスコラーリ監督は、「選手とのコミュニケーションにいくらか時間を費やしたい」と語っている。(c)AFP