■疲労が見えたジョコビッチ

 グランドスラムで16回ファイナリストになっているジョコビッチに対し、ようやく2度目の決勝に姿をみせたワウリンカは、第1セットで動きを封じられた。

 最初のサービスゲームで39回のラリーを経てブレークポイントをしのいだワウリンカは、第5ゲームでもピンチを乗り越えた。

 しかし、第7ゲームでブレークしたジョコビッチが4-3のリードを奪うと、第10ゲームではブレークポイントを難なくしのぎ、43分で第1セットを先取した。

 第2セットに入りフォアハンドのウイナーが決まり始めたワウリンカだが、第4ゲームで2度のブレークチャンスをふいにする。

 第6ゲームでもチャンスを逃したワウリンカは、第8ゲームでも同じ目に遭い、いら立ちのあまりラケットをネットにたたきつける。

 しかし、第10ゲームでようやくブレークしたワウリンカが、セットカウントをタイに戻した。

 アンディ・マレー(Andy Murray、英国)との準決勝が2日間に及んでいたこともあり、疲労のためか、急に失速したジョコビッチは、第3セットで2-4のリードを許すと、一瞬の反撃をみせるも、ダウンザラインへのバックハンドや、正確なフォアハンドのウイナーを打ち込んだワウリンカが、このセットを奪取した。

 第4セットで復調の兆しを見せたジョコビッチは、序盤にブレークして3-0とリードするも、再びエンジンのかかったワウリンカが、30回のラリーを制するなどしてブレークバックし、第9ゲームで再びブレークして、5-4と逆転に成功。

 最後は、2度目のマッチポイントで教科書通りの美しいバックハンドを決めたワウリンカが、タイトルを勝ち取った。

 2009年大会の覇者で、今大会では準々決勝でワウリンカに敗れた同胞の先輩ロジャー・フェデラー(Roger Federer)は、ツイッター(Twitter)に一言「王者(CHAMP)」と投稿した。(c)AFP/Dave JAMES