【5月13日 AFP】シベリア(Siberia)北部やアラスカ(Alaska)と同緯度に位置するノルウェー・ロフォーテン諸島(Lofoten Islands)のウンスタッド・ビーチ(Unstad Beach)には、普通のビーチでは決してできない体験を求めてやって来るサーファーが引きも切らない。

 雪に覆われた山頂や断崖絶壁といった息をのむような景色に囲まれたこの地には、世界最高レベルの波に挑もうと世界中からサーファーたちが集まってくるのだ。この地でサーフィンが始まったのは1960年代の初め。それから半世紀余り、ウンスタッド・ビーチはいまや世界中のサーファーにとってかけがえのないスポットになった。

 熱帯の海の温かさにはほど遠いが、大西洋を横断し、ノルウェー沿岸に打ち寄せる暖流のメキシコ湾流(Gulf Stream)のおかげで、北極圏にあるこの地の海水温が5度を下回ることはめったにない。白夜に照らされる夏には、昼夜を問わずサーフィンを楽しむこともできる。

 ノルウェー人サーフボード職人のクリスティアン・ブレイビク(Kristian Breivik)さん(44)は「ここでサーフィンをするには、厚さ6ミリのドライスーツに靴と手袋が必要だ。相撲の力士みたいな気分になるよ」と言う。「水から上がって車の後ろで着替える時は最悪だ」

 しかし、この地の緯度には特別な利点があるという。「ここにはサメがいないんだ」とクリスティアンさんは笑った。(c)AFP/Olivier MORIN