【4月16日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部、ボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)のユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督が15日、今季終了後に退任することを発表した。

 2018年まで契約を残していた47歳のクロップ監督だったが、現在はリーグ戦の順位を10位まで上げたものの、2月まで最下位に沈んでいたチームの不振を受け、契約の早期解除を申し出ていた。

 これにより、ドルトムントは新監督の選定を始めることになるが、後任をすぐに発表する予定はないとしている。

 記者会見に臨んだクロップ監督は、「私はいつも、自分がこの並外れたクラブの指揮官に100パーセントふさわしいと信じられなくなったら、そのように言うと発言してきた」と語っている。

「私はこれが最適な時期で、最適な決断だと信じている。ほかのクラブとのいかなる契約も存在しないし、1年間休業する予定もない」

 今回の発表のタイミングについてクロップ監督は、2013年4月にバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)移籍を発表したマリオ・ゲッツェ(Mario Goetze)に言及し、「クラブが未来に向けての計画を立てられるよう、自身の決断を現時点で知ってもらいたかっただけだ」としている。

「私はこの段階で発表することを選択した。なぜなら、過去数年、数人の選手の決断が遅れ、それに対応する時間がなかったからだ」

 ドルトムントで7シーズン指揮を執ったクロップ監督は、2010-11シーズンと2011-12シーズンにリーグ連覇を達成した。そして11-12シーズンのドイツカップ(German Cup 2011-12)決勝では、バイエルンを5-2で退けてクラブ史上初の国内2冠を達成し、クラブの歴史にその名を刻んでいる。

■クロップ監督「まだやるべき仕事がある」

 ウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)でバイエルンに敗れはしたものの、2012-13シーズンにチームを欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2012-13)決勝に導いたクロップ監督は、就任1年目の6位、2年目となった2009-10シーズンの5位を経てブンデスリーガ連覇を達成し、就任時は中位が定位置だったチームを短期間でドイツ屈指のクラブに立て直した。

 クロップ監督はまた、2013-14シーズン終了後にバイエルンに移籍したロベルト・レワンドフスキ(Robert Lewandowski)をはじめ、W杯ブラジル大会(2014 World Cup)を制したドイツ代表の優勝メンバーであるマッツ・フンメルス(Mats Hummels)、ゲッツェ、ケヴィン・グロスクロイツ(Kevin Grosskreutz)らをスター選手に育てている。

 会見前までチームに退任を告げていなかったことを明かしたクロップ監督は、「やるべきことがたくさんある。これは来季に向けての決断であり、われわれは今季を終えることに集中する」とコメントし、リーグ戦残り6試合で、順位をできるだけ上げてフィニッシュすることを目標に掲げた。

「どの選手との間にも問題はないが、ボルシア・ドルトムントには変化が必要だと信じている。過去の栄光にふけるのではなく、チームはそのポテンシャルを再び示さなければならない」

(c)AFP