■太古の引力

 もう一つ、大きな関心を集めているのは、46億年近く前の太陽系形成における磁気力の役割に関して、彗星探査が何を明らかにできるかという点だ。

 これまでの仮説では、太陽、小惑星、彗星、衛星、惑星などは、鉄の一種である磁鉄鉱の微粒子が大半を占める塵とガスが渦巻く円盤から形成されたと考えられている。この仮説によると、ミクロレベルでは、原始惑星系円盤内の磁場が物質を凝集させ、原始天体形成の一助になったとされる。

 だが、それ以降の物質降着段階で、磁気力がどのような役割を担ったかは不明だ。天体が直径数百メートルから数百キロへと巨大化し、重力が支配的な力になる以前の惑星形成の中間段階に、磁気力が関与していたかもしれないことは、一部の説で示唆されていた。

 だが14日に発表された結果は、この説を否定するものと思われる。アウスター氏は、AFPの取材に「磁気力が惑星形成の一助となるとの説は、信ぴょう性が低下した」「67Pが全ての彗星核を代表するものとすると、大きさが1メートルを超える惑星形成物質の集積に磁気力が関与した可能性は低いことを今回の結果は示唆している」と語った。

 ロゼッタチームの主任研究員、カールハインツ・グラスマイヤー(Karl-Heinz Glassmeier)氏は、磁場が「原始太陽系ではこれまで考えられていたよりはるかに小さい」ものだったと思われると述べている。「なぜなら、磁場がもっと大きかったとすると(67P上で)観測される磁化はもっと強くなる可能性が高いと思われるからだ」という。(c)AFP/Mariette LE ROUX