過去のスキャンダルと失言、ヒラリー氏の「アキレス腱」に?
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■ホワイトウォーター疑惑
クリントン夫妻にとって、アーカンソー州は良くも悪くもある存在だ。2人が政治的「王朝」を築いたのはこの地だが、ビル氏が州知事を務めていた際に夫妻が土地開発をめぐる汚職スキャンダルに巻き込まれた場所でもある。
夫妻はジム・マクドゥーガル(Jim McDougal)、スーザン・マクドゥーガル(Susan McDougal)夫妻と共に土地開発事業を手掛けるホワイトウォーター・デベロップメント・コーポレーション(Whitewater Development Corporation)を設立したが、同社は1980年代に倒産。融資や怪しげな取引、詐欺疑惑をめぐる騒動が勃発し、裁判に掛けられたジム・マクドゥーガル被告(当時)には禁錮刑が言い渡された。
クリントン夫妻がこの疑惑に絡んで訴追されることはなかったが、「ホワイトウォーター」の名は、夫妻のおひざ元で1990年代に起きたこの疑惑を蒸し返そうとする保守派の一部にとってのキーワードとなる可能性がある。
■「無一文」発言
現在のクリントン夫妻は、どの基準から言っても金持ちなことに違いはないが、過去にはそうでもなかった時期もある。アーカンソー州では、比較的控えめな生活を送っていた。
これは首都ワシントン(Washington D.C.)に移ってからは変わったが、ヒラリー氏は昨年、ABCテレビに対し、ホワイトハウスを出た時のクリントン家は「無一文」だったと漏らした。
一家の家計は実際、ビル氏の不倫騒動をめぐる膨大な裁判費用に圧迫されていたが、1999年にはニューヨーク(New York)州チャパクア(Chappaqua)に170万ドル(約2億円)ともされる豪邸を購入。その1年後にはワシントンに7部屋の寝室を有する285万ドル(約3億4000万円)の邸宅を購入した。
共和党側は、この発言を利用して、ヒラリー氏を一般人とかけ離れた感覚を持つ人物として印象付ける作戦に出る可能性がある。