【4月13日 AFP】ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前米国務長官は、2016年がようやく米史上初の女性大統領が選出される年になるかもしれないと見込んでいる。しかし、同氏の汚点と失言にまみれた過去は、選挙活動に壊滅的な打撃を与えることはないとしても、その障害となる可能性はある。

 ヒラリー氏は、ファーストレディー、上院議員、世界中を駆け巡る国務長官としての豊富な経験を根拠として、自らが大統領の職務に最も適した人物であると有権者に訴えるつもりだ。

 だが、同氏の過去はすでに共和党全国委員会(Republican National Committee)から、「数十年にわたる秘密主義とスキャンダルの過去」とのレッテルを貼られている。問題になった出来事を、以下に紹介する。

■ルインスキーさんとの不倫騒動

 夫のビル・クリントン(Bill Clinton)元大統領の性的な無分別さは、民主党の超大物カップルである夫妻を長く悩ませてきた。

 ビル氏はアーカンソー(Arkansas)州知事時代のセクハラ行為で同州職員のポーラ・ジョーンズ(Paula Jones)さんから訴えられたほか、1998年には元記者のジェニファー・フラワーズ(Gennifer Flowers)さんと親密な関係にあったことを認めている。ビル氏はその数年前、ヒラリー氏と共に出演した米CBSテレビの報道番組「60ミニッツ(60 Minutes)」で、フラワーズさんとの関係のうわさを明確に否定していた。

 だが真に深刻な打撃をもたらしたスキャンダルは、ホワイトハウス(White House)のインターンだったモニカ・ルインスキー(Monica Lewinsky)さんとビル氏との不倫関係と、それに続く1998年12月、連邦当局による捜査の妨害と偽証を理由とした議会下院によるビル氏の弾劾裁判だった。

 大統領選への立候補を表明した共和党側のランド・ポール(Rand Paul)上院議員は昨年、ビル氏の浮気について「ヒラリー氏のせいではない」と述べていた。だが一方で、不倫スキャンダルはヒラリー氏の選挙活動に対する格好の攻撃材料だとも発言。浮気者のビル氏を「ファーストハズバンド」として再びホワイトハウス入りさせることの弊害を指摘した。