■演技に伴う危険と勇気

 アフガニスタンの女性たちは、今も毎日のように残忍な暴力に痛めつけられている。最近でも3月19日に若い女性が、コーランを燃やしたという疑いをかけられて撲殺され、遺体を焼かれる事件がカブールで発生した。

 幼い時に家族と共に米国に移住し、2007年に帰国したアラムさんも言うように、定着してしまった慣習に挑戦することには危険が伴う。「このようなドラマに出演するのは、私にとっても危険なこと。昨日は外で撮影を行っていましたが、出番を待つ間も、誰かに酸をかけられはしないか、ナイフで刺されないかと気が気じゃなかった」と話す。

 ドラマの配役は容易ではなかった。あらすじが大胆すぎるといって、俳優たちが出演を拒否したのだ。シェリーンの友人である弁護士を演じた女優も、夫が反対したために出演を取りやめなければならなかった。

 ドラマでは強い女性の人物像を描きながら、沈黙の壁に隠れて汚職がはびこるアフガニスタンの司法制度を非難もしている。

「このようなドラマを製作し、シェリーンのような女性を演じるには、かなりの勇気が必要です」と、ドラマの製作者でもあり、これまでにいくつかの映画にも出演しているアラムさんは話す。「でも、内戦から30年以上が経過した今、シェリーンのように単刀直入に情報を提供して人々を教育し、前へ進むべき時が来たと思う」

 街角のシーンを除けばドラマの大半は、裁判所やシェリーンの自宅、法律事務所のセットがあるスタジオの中で撮影される。セットは、アフガニスタンのアシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)大統領の肖像からシェリーンの机に置かれたホチキスまで、細かいディテールにこだわっている。