【4月10日 AFP】スペインで、独身女性をチャーターバスで地方のホテルに招いて地元男性と引き合わせる「婚活パーティー」企画に対し、性差別的だとの批判が起きている。

 問題となっているのは、南西部メリダ(Merida)にあるホテル・ロメロ(Hotel Romero)が主催するパーティー。地方の人口減少対策として異なる地域に住む男女の出会いを取り持つことを掲げ、1995年から首都マドリード(Madrid)在住のコーディネーターが行っている事業「女性キャラバン(Caravans of Women)」の1つで、ホテル・ロメロでは初開催という。

 ところが、1台のバスに乗ってパーティーに向かう女性たちを描いたホテルの宣伝ポスターが、女性権利活動家らの怒りを買った。

 オンライン署名サイト「Change.org」に立ち上げられた署名活動は、ホテル・ロメロのパーティーについて「(女性を)おとしめ、物とみなした」もので「性差別的な固定概念」を助長していると批判。「女性を呼び込みの餌として商品化した」ことを謝罪するよう、ホテルに要求している。この署名活動には9日午後までに1万500人の署名が集まった。

 一方、ホテル・ロメロを経営するホセ・ロメロ(Jose Romero)氏は、「女性を傷つけるような企画ではない。それどころか、同じニーズを持つ人たちが出会う手助けをするイベントだ」と反論している。

 パーティーは今月18日開催予定で、地元メリダ在住の男性55人と、約280キロ離れたマドリードからバスで来る女性55人が、午後から夜にかけて一緒に時を過ごす。翌19日午前3時にホテルのディスコが閉店した後、女性たちはまたバスでマドリードに戻るという。参加費は男性が50ユーロ(約6400円)、女性は往復のバス代込みで20ユーロ(約2600円)。

 マドリードを拠点に「女性キャラバン」事業を企画するコーディネーターのマノロ・ゴサロ(Manolo Gozalo)氏は、「売春あっせん」だとの批判を否定し、パーティーは独身の男女を引き合わせるだけのイベントだと主張。事業立ち上げから20年間で120組のカップルを成立させたと述べ、「女性の参加費が低く設定されていることが性差別だというなら、そうかもしれない。だが、これは長年続けてきたことだ」とAFPに語った。(c)AFP