【4月9日 AFP】米南部サウスカロライナ（South Carolina）州ノースチャールストン（North Charleston）市で、武器を持っていなかった黒人男性が白人警察官に射殺された事件で、同市の市長は8日、殺人容疑で訴追された同警官が免職されたことを明らかにした。

 キース・サミー（Keith Summey）市長は記者会見で、4日の事件で男性を射殺したマイケル・スレーガー（Michael Slager）容疑者（33）が、事件後に免職されたと発表した上で、警察側の違反行為を記録するために警官が装着するボディカメラの導入を迅速に進めると約束した。

 米国では警官が黒人男性を死亡させる事例が相次いでおり、記者会見は事件に反発する住民によって何度も妨害された。また市庁舎前では8日朝、事件に抗議する人々がデモを行い、「人種差別の警察テロをやめろ」などと叫んだ。

 スレーガー容疑者は、通行人が撮影した発砲の瞬間の映像が決め手となり、7日に殺人容疑で訴追された。裁判で有罪が確定すれば、終身刑または死刑が言い渡される可能性がある。

 映像でスレーガー容疑者は、尾灯が壊れたまま走行していた黒人のウォルター・スコット（Walter Scott）さん（50）が運転する車を止めさせ、口論になった後に逃げ出したスコットさんの背後から何度も発砲する様子が捉えられていた。

 米紙ニューヨーク・タイムズ（New York Times）によると、スレーガー容疑者は発砲後、本部との無線連絡で、スコットさんにスタンガンを奪われたと報告していた。だが映像には、スコットさんの体からのびているスタンガンのワイヤーが写されており、スタンガンで撃たれたのは容疑者ではなくスコットさんであったことが示唆されている。(c)AFP/Jim Watson