【4月3日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は2日、役員報酬の詳細を初めて公表し、トーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は年間22万5000ユーロ(約2900万円)の経費を受け取ることが明らかになった。

 IOCは、他のスポーツ連盟にも役員報酬の公開を呼びかけており、この動きはサッカーの統括団体である国際サッカー連盟(FIFA)に対する圧力となる可能性がある。

 潤沢な資金を持つIOCの倫理委員会は声明で、「全面的な透明性を確保するために」、計102人の委員と計35人の名誉委員に対する報酬について詳細に公表すると述べた。

 4人のIOC副会長を含む計14人の理事には、会議や公務で出張する際に日当900ドル(約11万円)が支払われる一方で、他の委員は同様の場合に日当450ドル(約5万5000円)を受け取ることになっている。

 また、全IOC委員の報酬は年間7000ドル(約84万円)となっており、交通費や宿泊費については事前にIOCから支払われるという。

 IOCは、主要なスポーツ連盟が役員報酬について詳しく公表した例は初めてであると述べ、IOC委員はボランティアであり、職についている場合、それとは別に活動を行っている。

 夏季と冬季で2年ごとに莫大な収入を得るIOCは、数十億ドルを動かす巨大組織となっており、昨年12月にはバッハ会長が、2014年の1年で100億ドル(約1兆2000億円)に及ぶテレビ放映権とスポンサー契約を結んだと明らかにしていた。

 決議や財務の徹底開示は、バッハ会長が掲げた中長期改革で昨年12月に承認された「アジェンダ2020」の重要な項目の一つとなっており、五輪の品位を維持することを目指している。(c)AFP/Eric BERNAUDEAU