【7月3日 AFP】自転車ロードレースに参戦する南アフリカのMTNクベカ(MTN-Qhubeka)でチームマネジャーを務めるダグラス・ライダー(Douglas Ryder)氏は、初参戦となる今年のツール・ド・フランス(2015 Tour de France)に対する野望は控えめながらも、5年以内には世界最高峰のレースで表彰台に立てるはずだと主張している。

 オランダ・ユトレヒト(Utrecht)で開幕する今年のツール・ド・フランスで、アフリカ勢として初めて参戦することになったMTNクベカのライダー氏は、チームが世界の自転車ロードレースで成功を収める可能性があることを信じている。

 ライダー氏は、「(今年の)大きな目標はステージ優勝を飾り、リーダージャージーを着ることだ」と語った。

「現在チームには総合優勝を目指せる選手はいないが、2~3年後には表彰台に立つ可能性を持つ選手が育つだろう。100年の歴史を持つ欧州のスポーツで、アフリカ勢が躍進を遂げて世界の自転車競技にインパクトを与えられないはずがない」

 今年のツール・ド・フランスにワイルドカードで出場することが決まったチームは、すでに昨年の第69回ブエルタ・ア・エスパーニャ(69th Vuelta a Espana)に出場して国際レベルの大会を経験している。

 チームには前途有望な若手選手が数人いるほか、強豪スカイ(Sky Pro Cycling)でトップ選手の一人だったエドヴァルド・ボアッソン(Edvald Boasson Hagen、ノルウェー)と契約を交わすなど、戦力補強も行っている。

 しかし、ズールー族の言葉で「発展」という意味のMTNクベカにとって頭角を現すための引き金となるのは、やはり地元アフリカ出身の選手だ。

 ライダー氏は、「われわれはアフリカで最も才能ある選手をチームに引き入れてきた。2015年のツールでは、エリトリア人選手が席巻するかもしれない」と予言している。

 MTNクベカは、2013年のツアー・オブ・トルコ(Tour of Turkey 2013)で総合優勝を果たしたナトナエル・ベルハネ(Natnael Berhane、エリトリア)がチームに加わり、同胞のダニエル・テクレハイマノ(Daniel Teklehaimanot)や同国出身の若手有望株として期待されている20歳のメルハウィ・クドゥス(Merhawi Kudus)、さらに22歳のルイス・マインティーズ(Louis Meintjes、南アフリカ)らを擁している。

 MTNクベカは、国際自転車競技連合(UCI)がアフリカに対して行っている投資の恩恵を受けており、ライダー氏はアフリカ勢が自転車競技で強豪になる日を信じている。

「マラソンと同じような状況が、自転車競技でも必ず起きるはずだ。確信はないが、可能性を感じている。だが自転車競技は、それほど簡単なものではなく、もっと技術や戦術が必要であり、学ぶべきことは山ほどある」