【3月31日 AFP】中国の国土資源省は、約10年前に施行した法律の初の適用例として、66か所の「違法」ゴルフコースを閉鎖したと30日、同省ウェブサイト上で発表した。

 中国政府は現在、習近平(Xi Jinping)国家主席が先頭に立ち、大々的な反汚職運動を繰り広げており、宴会やぜいたく品の贈答など公務員の過剰な行為を取り締まっている。

 中国を一党支配する共産党は、地元当局の財源となるうえ、一部高官に人気の余暇の過ごし方であり、一方で富や欧米エリート層と密接に関連しているゴルフについて微妙な立場をとってきた。しかし国土資源省は「目下、違法に建設された多くのゴルフコースを地元自治体が閉鎖している。初期目標は、清掃と整地作業で達成された」と発表した。

 中国政府は2004年、全国でゴルフコースの新設を一時禁止したが、収入を求める地元側は開発を続け、海南(Hainan)省のように新設コースの運営者に減税措置を与える自治体まであった。中国とゴルフの関係についての著書があるダン・ウォシュバーン(Dan Washburn)氏によれば政府高官は、汚職の疑いや世論に疎いと非難されることを恐れて偽名を使用し、熱心にゴルフクラブに加入している。

 国土資源省ではゴルフコース閉鎖の理由を示していないが、04年の法制定の際に挙げられた理由は、水資源や環境への懸念だった。新設禁止にもかかわらず、中国で増え続けたゴルフコース。国営新華社(Xinhua)通信によれば、04年には全国で200か所を下回っていたが、現在では600か所を超えるという。(c)AFP