永久追放のローズ氏、MLBコミッショナーに処分撤回を申請
このニュースをシェア
【3月17日 AFP】米大リーグ(MLB)のロブ・マンフレッド(Rob Manfred)コミッショナーは16日、野球賭博に関与したとして1989年に球界から永久追放となったピート・ローズ(Pete Rose)氏が、資格回復を正式に申請したことを明らかにした。
MLBの公式ウェブサイトによると、今年1月からバド・セリグ(Bud Selig)氏の後任を務めているマンフレッドコミッショナーは、ローズ氏から処分撤回を求められ、「そのメリットについて話し合う用意がある」としている。
マンフレッドコミッショナーは、「ピート氏から正式な申請を受け取っており、彼の代理人と(プロセスを再検討する方法を)話し合うつもりだ」と述べている。
来月74歳になるローズ氏は、23年の現役生活で歴代最多となる通算4256安打を記録し、1986年に引退するまでシンシナティ・レッズ(Cincinnati Reds)で2回、フィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)で1回のワールドシリーズ制覇を経験している。
ローズ氏は1984年から1989年までレッズの監督を務めていたが、野球賭博に関与した疑惑に悩まされた。そして1989年に、当時コミッショナーに就任したばかりのバート・ジアマッティ(Bart Giamatti)氏が、最初の任務としてジョン・ダウド(John Dowd)弁護士に問題の調査を依頼した。
ダウド弁護士の調査により、1987年の52試合でレッズが賭博に関与していたことが報告されると、ローズ氏は1989年8月に永久追放処分を受け入れたが、疑惑に関する正式な証拠は見つかっていなかった。ローズ氏の処分が発表された8日後、ジアマッティ氏は心臓発作で亡くなっている。
焦点はローズ氏自身が賭博に関与したかについてだったが、報告書では同氏が監督を務めていたレッズに賭けていたかどうかなどの証拠は何も見つかっていないとされていた。
マンフレッドコミッショナーは、「ダウド弁護士の報告書を詳しく調べ、ピート氏の意見を聞いた上で、決断を下したい」とコメントしている。
永久追放となった選手には、球界最大の栄誉とされる野球殿堂入りの資格が与えられないことになっており、これまでもローズ氏は、フェイ・ヴィンセント(Fay Vincent)氏やセリグ氏といった歴代コミッショナーに対して復権を要請したが、いずれも却下されていた。
それでもローズ氏は、一時的に処分が撤回されたことがある。アトランタ(Atlanta)で行われた1999年のワールドシリーズでは、20世紀を代表する選手の一人として試合前のセレモニーに出席している。
ローズ氏は2004年に、選手兼監督を務めていたレッズ時代に野球やそのほかのスポーツ賭博に関与したことを認めている。(c)AFP