【1月22日 AFP】十数人の元フランス軍兵士がイラクとシリアでイスラム過激派組織に参加しており、仏軍内部に過激分子が存在する可能性が懸念されると、仏国防省の匿名の情報筋が21日、明らかにした。

 この情報筋は「12人ほどの退役軍人が、これらの(過激派)ネットワークに加わっているとみている」「われわれが懸念しているのは、元兵士らではない。仏軍内の兵士の過激化を阻止することだ」などと述べた。

 仏国防省は、軍の情報部門を増員し、新兵の調査と監視をより入念に行う方針を発表した。軍の最大の懸念は、過激思想に染まった兵士が同僚に銃口を向けたり、戦闘や爆発物の知識・技術を使った攻撃を実行したりする恐れだ。

 ラジオ局フランス・アンテル(RFI)は、イスラム過激派に転身した元仏軍兵士の多くはスンニ派(Sunni)過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に加わっており、特殊部隊や外国人部隊の出身者もいると報じた。このうち1人は、シリア北東部で自ら訓練したフランス人部隊を率いているという。また、爆発物の専門家などもおり、過激派の戦闘員となっているのは20代が中心という。

 一方、仏紙ロピニオン(L'Opinion)電子版によると、元仏軍の戦闘員の1人は、仏軍エリート部隊の第1海兵歩兵落下傘連隊(1st Marine Infantry Parachute Regiment)に所属していた人物だとしている。この戦闘員は5年の軍務の後、アラビア半島の油田を警備する民間軍事会社に就職したが、そこで次第に過激思想に染まり、ひげを生やすなどイスラム主義を信奉するようになったという。(c)AFP