■髪型でしくじったジェパロフ

 さらに、アジアカップを語る上で忘れてはならないのは、ウズベキスタンの往年の名選手で、現在は同国代表で指揮を執るミルジャラル・カシモフ(Mirdjalal Kasimov)監督だ。カシモフ監督は現役当時、卓越したFKの技術から「ウズ・ベックス(ウズベキスタンのデビッド・ベッカム(David Beckham))」と呼ばれ、国内を熱狂させた。

 しかしカシモフ監督には、元ポップスターの夫人もいなければ、奇抜な服のコレクションもなく、さらには容姿もベッカムとはかけ離れている。本家と違ってタシケント(Tashkent)の美容師を悩ませることもない。髪型は至って普通の短髪。おそらくシャンプーすら不要だ。

 ウズベキスタンで髪型といえば、同国の年間最優秀選手に2度選出されたセルヴェル・ジェパロフ(Server Djeparov)だろう。

 授賞式に光沢のあるベルベットのタキシードで登場したジェパロフだけに、ベッカムのファッションを参考にする必要はなさそうだが、後ろだけを伸ばした髪型は、残念ながら元イングランド代表のスター、クリス・ワドル(Chris Waddle)氏に例えられてしまった。それ以来、ジェパロフは髪を後ろでまとめてポニーテールにしている。

 スーパースター候補生の大半は、往年の名選手に例えられるのを嫌がるものだが、なかには過去に敬意を払う者もいて、例えばカタールは、自分たちにはハルファン・イブラヒム(Khalfan Ibrahim)という名の「マラドーナ」がいると豪語する。

 そんななかで、ビーチサッカーのアジア王者イランは、アジアカップに際してはビーチで日焼けに勤しむのはもちろん、突拍子もないあだ名を考える時間の余裕はなかったようだ。

 チャールトン・アスレチック(Charlton Athletic)でプレーするレザ・グーチャンネジャド(Reza Ghoochannejhad)は、名前を縮めて「グッチ(Gucci)」と呼ばれているだけで、おそらくブランド好きというわけではない。

 またカリム・アンサリファルド(Karim Ansarifard)は、同国歴代最多得点を記録している英雄になぞらえて、「アリ・ダエイ(Ali Daei)の再来」というおとなしめのあだ名を頂戴している。

 こうしてみると、アジアカップの出場チームには、たいてい「ビッグネーム」が名を連ねているようだ。もちろん、かっこ付きのではあるが。(c)AFP/Alastair HIMMER