【1月13日 AFP】交流サイト(SNS)のフェイスブック(Facebook)上でどんなページに「いいね!」を押しているかをコンピューターで分析することで、その人の性格を親友や家族よりも正確に判断することができるかもしれないとの研究論文が12日、米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencePNAS)で発表された。

 研究を行った英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)と米スタンフォード大学(Stanford University)のチームによると、コンピューターはデータ分析を通じ、個人の性格や心理的特性をより的確に判断できる可能性があるという。

 一方で、研究結果はプライバシーへの懸念も呼び起こすもので、研究チームはネット上に残した履歴をユーザー自身が完全に管理できるよう対策を求めている。

 研究では、フェイスブックのユーザーから8万6220人の参加者を募り、「マイパーソナリティー(myPersonality)」というアプリを用いて、自分の性格に関する100問からなるアンケートの回答を集めた。同時にこの参加者らがフェイスブック上で何に「いいね!」を押しているか、研究者たちが閲覧できるようにしてもらった。

 アンケートでは人格的特徴の5大要素となる開放性、誠実性、外向性、協調性、情緒の不安定性について、点数で評価した。

 さらに「マイパーソナリティー」では、回答者が友人や家族に自分の心理的特性を評価する10問の簡単な設問に答えてもらうよう頼める仕組みとなっていた。家族もしくは友人1人がこの設問に参加したのは回答者のうち1万7000人以上で、2人が設問に参加したのは1万4000人以上だった。

 これらの結果、あるユーザーがクリックした「いいね!」10回分をコンピューターが分析した方が、その人の同僚よりも的確に性格を言い当てられることが示された。またコンピューターの性格判断能力は、「いいね!」70回分を与えられた場合で友人や同居人を、150回分で親や兄弟姉妹を、300回分で配偶者を上回った。(c)AFP