【9月23日 AFP】フランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)前大統領(59)が、政界復帰を宣言した。自国を取り巻く現状について「これほど希望のない国はまれだ」と嘆き、他に選択肢はなかったと語っている。

 19日にフェイスブック(Facebook)上で政界復帰を宣言したサルコジ氏は、21日のテレビインタビューで「言わば、フランスは崩壊しており、国民はもはや政治に信頼を置かず、わが党はいまだかつてないほど分裂している。この状況を見たら何もしないわけにはいかないだろう? 復帰を希望しているだけでなく、他に選択肢がないだけだ」と述べた。

 2012年の大統領選で社会党の現職フランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領に敗北して政界を去ったサルコジ氏をめぐっては、その政界復帰についての臆測がここ数か月間ささやかれていた。

 その背景には、経済のゼロ成長や記録的な失業率、そして膨らむ債務に記録的な低支持率と、社会党オランド政権が直面している様々な問題があり、サルコジ氏の復帰宣言はこうした折に飛び出した。

 サルコジ氏は、自らの大統領在任期間中に起きた世界金融危機の影響から、07~12年にフランスの失業率が10%近くまで上昇したことと、現在の状況とを比較し、08年は「世界危機がフランスを襲った。あれはどの国も、どの分野も、例外なく影響を逃れられない危機だった。しかし14年の危機は、欧州全体を破綻させかねないフランスの危機だ。これはまったく新しいものだ」と述べている。