■UMP党首への返り咲き、そして17年大統領選へ

 サルコジ氏復帰でまず動きがありそうなのは、かつて同氏が党首だった中道右派の国民運動連合(UMP)の主導権争いだ。サルコジ氏は11月に行われる党首選に出馬する意思を表明しているが、サルコジ政権で首相を務めたフランソワ・フィヨン(Francois Fillon)氏、国防相・外相を歴任したアラン・ジュペ(Alain Juppe)氏は、その先の17年の次期大統領選へ向けた候補者選びまでを視野に入れている。

 21日の仏紙ジュルナル・デュ・ディマンシュ(JDD)とのインタビューでサルコジ氏は、党首に返り咲いた際には、内部分裂しているUMPの徹底改革を遂行すると誓い「党名を変更し、新たな組織を導入する。また新しい世代を招き入れ、党員や寄付者を取り戻して問題の解決にあたる。この新たなグループが成功すれば、彼ら(フィヨン氏とジュペ氏)は私に追いつくことはできないだろう」と述べた。

 11月のUMP党首選では、サルコジ氏の復権がほぼ確実と見込まれている。しかし、17年の次期大統領選では、より大きな努力が必要となりそうだ。党内では高い人気を保っているサルコジ氏だが、国民全体の世論調査ではジュペ氏に軍配が上がっているためだ。

 さらに、サルコジ氏の何らかの関与が疑われる複数の司法捜査は、今も進行中だ。7月には司法事件に対する干渉を試みたとして汚職と権力乱用の容疑で訴追され、07年と12年の大統領選の際の資金関連でも疑いの目を向けられている。

 しかし、テレビインタビューの中でサルコジ氏は「もしも何か隠していることがあったら、こうして今日のように政界復帰などしない。わざわざ自分を人目に晒すだろうか」と語っている。(c)AFP/Marianne BARRIAUX