<菅付雅信:新連載「ライフスタイル・フォー・セール」>第十二回:ライフスタイル先進都市、ポートランドの魅力と問題
発信地:東京/その他
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■ビジネスにも受け継がれる独立思考のDNA
世界の広告業界の中でもクリエイティブファースト(クリエイティヴを第一優先にする価値観)を貫き通してきたワイデン+ケネディ(Wieden+Kennedy)がスタートしたのもここ、ポートランド。創業者ダン・ワイデン(Dan Wieden)のパートナーであり、同社のクリエイティヴ・ディレクターを長年遍歴したジョン・ジェイ(John C.Jay)氏は、世界のクリエイティヴ業界の重鎮である。ジョン氏は大学卒業後、ジャーナリズム誌の編集者として働いた後にファッションにフィールドを移し、ニューヨークの有名百貨店「ブルーミングデールズ(Bloomingdales)」のクリエイティヴ・ディレクターを10年以上務める。その後、ワイデン+ケネディに参加し、ワイデン+ケネディトウキョウの設立に代表として携わる。現在、再びポートランドに戻った広告界のトップランナーは、ポートランドの魅力をこう語る。
「ナイキの創業者フィリップ・H・ナイト(Philip H. Knight)、ワイデン+ケネディの創業者ダン・ワイデンは共にポートランド出身で、共に刺激をし合い、ビジネスを育ててきた絆深い関係なんだ。ナイキはポートランドのDNAを強力に引き継いでいると思うよ。フィリップもダンもとても謙虚で控えめな人なんだ。その謙虚さは僕たちが置かれている環境からくるものだと思う。森や海に囲まれて暮らしているから、自然の力に太刀打ちできないことは重々承知している。ナイキは豊か環境がなければ成り立たないアウトドアグッズも取り扱っているから自然と謙虚な姿勢になるんじゃないかな」
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